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3月の農作業 2019.3.1更新


南部版


  水稲 ◇土づくり肥料の施用
 近年は、過去10年のうち6年が異常気象でした。この異常気象に対応する米作りを行なうため、しっかり土づくりをしましょう。土づくりを行なうことで、稲の耐久力を高め、収穫量を安定させることができます。堆肥などの有機物や、「ミネラルG」などの土づくり肥料を施用しましょう。
 土づくり肥料成分で、特に重要なのはケイ酸です。ケイ酸を吸収することで、高温に対する抵抗力がつくだけでなく、光合成能力が向上し、日照不足による登熟不良にも効果があります。そのため、昨年のような天候でも安定した収穫量を確保することができます。
 また、pH(土壌酸度)が低いとワラの分解がしにくいため、矯正を行なうことが重要です。「ミネラルG」を施用することでpHの矯正もできます。

◇「恋の予感」 品質・食味の向上について
JA福山市 恋づくり
 おいしい米づくりに向けて、土づくり肥料「JA福山市 恋づくり」をおすすめしています。この肥料は、水に溶けて吸収されやすいケイ酸を含んでおり、少量で効果を上げることができます。
 また、苦土を含んでいるためリン酸の吸収を助け、肥効が高まり稲体の充実を図ることができます。
 施用時期は、田植え1ヵ月前から代かき前です。施用量は10aあたり40kgと省力ですので、土づくりがまだの方はぜひお試しください。




  野菜 ◇野菜のべた掛け栽培
 3月上旬から露地野菜の、は種時期となります。
 しかし、まだ気温が低く発芽や生育がそろわないなど、低温の被害を受けやすい時期でもあります。
 不織布をべた掛けすると、保温効果が高まり生育が安定します。また、ヒヨドリや小動物による食害、凍霜害の品質低下を防ぐことができます。
不織布のべた掛け
不織布のべた掛け

◇ホウレンソウのは種
は種と収穫時期
種類 は種 収穫
ホウレンソウ 3月上旬 5月上旬
レタス 5月下旬
ニンジン 6月下旬
ゴボウ 6月下旬
 一度にたくさんまくと、暖かくなったときに急に大きくなって収穫が間に合わなくなります。トウ立ちの遅い「晩抽パルク」などを2週間おきにまきましょう。
 基肥として、1aあたり「苦土セルカ2号」を15kg、「福山やさい有機189」を10kg施用します。

◇タマネギの防除
 近年、4~5月の気温が高く、降雨によってべと病が多発し、玉太り不足や貯蔵中の腐敗など問題が発生しています。
 病気になってからでは治りにくいため、3月上旬から「ジマンダイセン水和剤」の500倍液に展着剤を加えて予防散布します。気温が高く降雨が多い場合は、20日間隔で行ないましょう。
 平年は4月中旬から発生が多くなりますが、3月でも暖かく雨が続くと病気が発生します。病気の兆候が見られたら、早めに「プロポーズ顆粒水和剤」で防除しましょう。
 また、3月上旬に肥料切れを起こすと花芽分化(花の基が作られる)し、トウ立ちの原因になります。そのため、2月下旬に施用した肥料が十分に吸収されるよう、乾いている場合は潅水を心掛けましょう。

◇害虫防除
 3月上旬からアブラムシの活動する時期となり、初期は農作物の芯などに発生します。
 イチゴやエンドウ、ソラマメなどに多く発生するため、注意深く観察をしましょう。


  果樹 ◇柑橘
○春肥の施用
 春肥は、芽や幼果の発育など初期生育に必要な肥料です。
 昨年の干ばつや、その後の多雨で細根量が少ないのが現状です。また、秋肥の施用を控えめにした園地は、初期生育が鈍くなります。春草の除草を行ない、肥料の競合を避けましょう。

○病害虫防除

 冬季に「マシン油乳剤」の散布を行なっていない園地は、ハダニ類の防除を目的に「ハーベストオイル(97%マシン油乳剤)」を3月上旬に散布します。樹勢回復のため、尿素200倍を混用して行ないましょう。 
 発芽前の3月下旬は、レモン・ネーブルなど、かいよう病に弱い品種を対象に「コサイド3000」は2,000倍(「クレフノン」200倍を加用)で防除を行ないます。ただし、「マシン油乳剤」散布後、2週間以上空けます。

◇イチジク(蓬莱柿)
○挿し木
挿し穂の調整と挿し方
挿し穂の調整と挿し方
吸水面が広くなるよう斜めに切る。切り口は節に近い方が発根率がよい。
 挿し木は、3月上旬から中旬に行ないます。貯蔵していた挿し穂から、病害虫被害のない健全な枝を選び、1穂15~20cm(3芽程度)に調整し、芽が上向きとなるように斜めに挿します。
 挿し穂が乾かないよう、挿し木の前日から水揚げを行ないます。挿し木後は潅水し、土壌と穂木を密着させ、敷きワラなどで乾燥防止に努めます。
 ネコブセンチュウや株枯病の発生園で、苗木育成を行なってはいけません。

○病害虫防除
 発芽前にカイガラムシ類、ハダニ類の防除を目的に、「石灰硫黄合剤」を丁寧に散布します。散布後は散布具の洗浄を行ないましょう。




北部版


  水稲 ◇種子の準備
 品質や収量の維持、種子伝染性病害(いもち病・ばか苗病など)を防ぐため、新しい種子を購入しましょう。種子更新は、JA米の要件の一つにもなっています。
 必要種籾量は、乾籾で10aあたり4kgです。籾は1升が1kgとなります。

①塩水選
新鮮な生卵による
 塩水比重の調整法
新鮮な生卵による塩水比重の調整法
 塩水選は、未熟籾や病害虫被害を受けた籾を除き、発芽の良い籾を選ぶために行ないます。
 水10ℓに対して、無芒のうるち米の場合は2.1kg、もち米の場合は1.1kgの食塩を溶かして塩水を作ります。なお、食塩量による食塩水の作り方は濃度が不正確となるため、新鮮な生卵を用いて調整しましょう。調整後、その中に種籾を浸け、浮いた籾を除きます。

②種子消毒
 塩水選後、十分に水洗いをし、塩分を除去してから種子消毒を行ないます。
 種籾4kgに対し、水10ℓ、「テクリードCフロアブル」50mℓ、「スミチオン乳剤」10mℓを混合した薬液を作り、24時間浸けます。浸漬中、2~3回かくはんします。消毒後、種籾は水洗いや乾燥はせず、そのまま浸種します。
「テクリードCフロアブル」
いもち病・ばか苗病などの病気を予防する薬剤です。
「スミチオン乳剤」
イネシンガレセンチュウを殺虫する薬剤です。この害虫は本田防除できません。

③浸種(水かし)
温度差による発芽不ぞろい
温度差による発芽不ぞろい
 桶などに種籾量の倍以上の水を入れて浸種を行ないます。桶が日に当たると温度のむらができ、発芽が不ぞろいとなるため日陰に置きます。
 種籾を網袋に入れる場合、袋の8分目までとします。
 水が濁って泡が出てきたた場合は、水を半量静かに入れ替えます。
 籾殻がアメ色になり、胚が白く透けて見えるようになったら吸水終了です。芽きりを確認して、は種するようにしましょう。
 水温の積算で100℃ が浸種終了の目安となります。
吸水が終了した籾
吸水が終了した籾


  野菜 ◇果菜類の土づくり
 夏期の間、収穫を行なう果菜類を安定して栽培するために、「豊穣」や「牛ふん」などの堆肥と、「苦土セルカ2号」などの石灰資材を打ち込み、土づくりをしておきましょう。
 「ケイフン」は肥料分とともに石灰分を多く含み、また分解も早いため土づくり資材としては適していません。基肥で大量に施用すると、作物によっては肥当りを起こすことがあるので注意が必要です。
 「豊穣」の特長は、年間20~40%がゆっくりと分解されるため、肥沃度の向上には大変効果的です。水持ちや肥持ち、排水性が良くなります。
 「牛ふん」は、年間に40~60%が分解されるため、長期間にわたって肥料効果が得られると同時に、肥沃度向上にも役立ちます。
 「苦土セルカ2号」などの石灰資材は、酸性に弱い野菜で1aあたり20kg、標準で1aあたり10㎏程度散布します。

◇バレイショの植え付け
 3月下旬から4月上旬に植え付けます。
 軽い霜でも葉が傷み黒くなるため、早植えにならないようにしましょう。

○種イモの処理
 発芽して、モヤシのようになっている芽は取り除きます。
 また、保存中にイモの表面にカビが付着したものは、乾燥や浴光によって消滅するので生育に影響はありません。
 ただし、腐って汁が出ているイモは取り除き、汁が付いたものもできるだけ除去します。
 種イモは、芽の位置や数に注意して1片30gを目安に切り分けます。半日程度、切り口をよく乾かして植え付けましょう。

○植え付け
 ナス科の連作にならないよう気を付けるとともに、そうか病が発生するところへは、「ネビジン粉剤」を1aあたり6kg施用します。
 肥料は、植え付け時にイモとイモの間に「やさい化成1号」30gを施用します。植え付け後は、敷きワラや刈り草などを敷いて、乾燥や霜の対策をしましょう。

◇タマネギの管理
べと病
べと病
 3月中旬に最後の追肥として、1aあたり「やさい化成2号」を4㎏施用します。施用時期が早すぎたり、量が少なすぎたりすると球の肥大が悪くなり、逆の場合は球が太りすぎて、貯蔵性が劣ります。また、3月下旬にかけて肥料切れを起こすとトウ立ちの原因となるため、適期の施用が重要です。
 また近年、春先の気温が高く、べと病や白色疫病などの被害が多くなっています。展着剤を加えた「ジマンダイセン水和剤」の500倍液で予防しましょう。

◇エンドウ
 3月中旬から種をまきます。気温が10℃以上確保できると発芽が安定します。ポットへ3粒をは種し、定植時には1~2本に間引きます。ポット育苗した苗は移植を嫌うため、本葉3~4枚で根鉢を崩さないよう定植します。
 直まきしたものは草丈が7~8cmに伸びたころ、勢いのよいもの2本を残してほかは間引きます。このとき残す苗の根を傷めないように、余分な苗は引き抜かずハサミで切り取ります。
 エンドウの茎は風で振りまわされて折れやすいため、草丈が10cm程度で竹や笹を立てて固定します。
エンドウの支柱立て
エンドウの支柱立て
風当たりが強い場合は、振り回されないよう小さい竹の棒などで固定しておく。


  果樹 ◇落葉果樹の越冬病害虫防除
 休眠期に越冬病害虫の密度を減少させるため、落葉・枯れ枝・せん定枝の処分、粗皮剥ぎ、巻ツルの除去、園地の除草を行ない、園内の病害虫密度を下げましょう。
 加えて、越冬病害虫対策として、萌芽前に「石灰硫黄合剤」を丁寧に散布します。結果母枝だけでなく、主幹や太枝にも散布し、ムラのないようにしましょう。
 「石灰硫黄合剤」は強アルカリ性なので、「ボルドー液」散布後は2~3週間、「マシン油乳剤」散布後は1ヵ月以上の間隔をとる必要があります。

◇ブドウの芽とび対策
 長梢仕立ての徒長した樹や、若木の主枝形成中の樹では、主枝延長枝の基部から中間部にかけて発芽しない(芽とび)ことがあります。
 芽とびを防止するため、先端の数芽を除いて、発芽させたいすべての芽の先端側5mm先に、芽傷ばさみなどで形成層に達する程度の傷をつけます。
 処理時期は樹液流動が始まるころが適期です。

◇苗木の植え付け
 春植えの時期となります。
苗木は植える前に1日水揚げをします。
枯死や折れた根は切除します。
植え付けの際は、深植えにならないよう接木部を地上に出し、根を十分広げて植え、支柱を立てて結束します。
植え付け後は、根を土と密着させるよう潅水はたっぷりします(夕方は避けましょう)。
苗木は接木部から上30cm程度を残して、膝の高さくらいで切り返します。このとき、一番先端の芽が北向き(日当たりの悪い向き)となるように切り返す位置を決めます。
 植え替えなどの場合は、いや地、モンパ病対策として、前作の根をきれいに除去します。

◇接ぎ木
 切り接ぎは、樹液流動が始まるころ(北部3月末~4月上旬、南部3月中旬)から行ないます。
 穂木と台木の形成層(表皮下の半透明の部分)を隙間のないように合わせ、穂木が動かないように接木テープで固定します。
接ぎ木の手順
接ぎ木の手順 接ぎ木の手順
充実した芽を2~3芽つけて、基部から3cmの位置を削ぎ、反対側は1cm切り落とす。 穂木と台木の形成層が合うように穂木を台木に挿しこむ。



 

《2019年度 農業塾の開講》
 JAでは、管内にお住まいでこれから農業に取り組まれる方を対象に、農業塾を開講します。
 カリキュラムは会場ごとに異なりますが、野菜や果樹、水稲などについての講義を、平日の昼間もしくは夜間に月1回開催します。
 開講期間は2019年4月~2020年1月で、受講料は5,000円です。このほか、会場によって教材費・視察研修費・実習費・交流会費などを別途徴収させていただきます。
 詳しい内容については、先の各会場事務局までお問い合わせください。
会場 開催場所 事務局
瀬戸会場 瀬戸支店 瀬戸グリーンセンター
川口会場 川口支店 川口グリーンセンター
松永会場 松永南支店 松永グリーンセンター
沼隈会場 山南支店 沼隈グリーンセンター
神辺会場 神辺JA会館 神辺グリーンセンター
駅家会場 駅家JA会館 駅家グリーンセンター
府中会場 国府支店 府中グリーンセンター


《果樹栽培の専門誌『フルーツひろしま』(JA広島果実連発行)
フルーツひろしま
果樹の栽培管理の基礎から、最新技術まで幅広く掲載。
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